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「……まっずいな~。今日、戦があったハズ。これじゃ報酬が引かれるかも。……うぅ、どれもこれもパクッ――じゃない、拾ったポンコツの所為なのよ!」
雨音が支配する森の中で、ぎゃんぎゃん騒ぐ少女だったが、そのヒステリックはピタリと止まる。
耳の端に人の声が引っ掛かったのだ。
それも複数。
少女は身を低くし、声がする方へと高速で駆けて行く。足音は最小限。
雨音が少女の気配を消すのに加担してくれた。
辿り付いた先、少しだけ高い崖の上からその光景を捉えた。
鎧を纏った男ら三人が、一人の男を行き止まりへと追い詰めたようだ。
「あの戦衣は確か……。ふふっ、見~つけたっ」
少女は背のホルダーから深紅の刀身をしている両刃剣を抜くと同時に、三人と一人の間に向って跳び降りる。
彼女は欠けていた歯車。
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