虚空

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 だが、よく見ると、床には扉が設置されていた。ウォードはその扉を開け、慎重に中へと潜り込んでいく。  中は暗がりで、明かり等は一切存在しない。梯子から滑り落ちないように足場を確認しながら、やはり慎重に進んでいく。やがて下方から光が見え始めた所で安堵し、地面が見えた瞬間、その巨体は梯子から飛び降りた。  ズシーンという轟音が辺りに響き渡り、地を揺らす。だが、彼はお構い無しと言ったように歩みを止めない。  光の正体は、壁に塗られた塗料であった。どうしてこんな物が塗られているかは定かではないが、ウォードはそれを好都合と判断し、光を頼りに歩を進めていく。  木製の壁は途中で区切れており、その先は洞窟となっていた。  エマーソンの話によれば、この洞窟を抜けた先に、エノメイアのブリッジが眠っているという事だが、それだけではどんな物なのかが想像し難いのは言うまでもない。
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