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「……そうか」
心の片隅で思っていた疑問が解かれた瞬間、俺の中で何かが動き出した気がした。それは、シアと出会い、事件に巻き込まれた瞬間から始まった訳ではなく、遠い昔から――そう、俺の思考では理解出来ない時間から、決まっていた事だったのだろう。それこそ、瑞穂に似た少女の危惧していた、世界に存在する”大いなる意思”とやらが関与していると言っても不思議ではない。
つまり、簡潔に纏めるならば……俺という個体は初めから、その意思の手の中で躍らされていただけだったのだ。シアとこうして話をしている事も、仲間達が傷付き、親友と対立してしまった事も、全て――
では、それを操っている意思とは何なのか……運命、それとも、業?
もしも、その意思を利用して果てなき闘争を生み出そうとしている者がいるのだとすれば、俺の――俺達の敵は”ソレ”という事になる。
答えを見つけ出す日は近い……何故だか分からないが、俺の第六感がそう告げていた。
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