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(まあ、結果オーライってヤツかな?)
考えてみれば、俺の死んだ妹だって血が繋がっていない可能性があるのだから、シアを妹扱いしたところで何も咎められる事はないかもしれない。いや、そう思いたい……思わなければ、世間から変な目で見られそうな気がするから。
それはさておき、彼女の笑顔を見てホッとした俺は、彼女にとある事を提案する。
「そういえば、麻里奈さん……だっけ? お前の友達の名前って」
「うん、そだよぉー」
「確か、熱海市内にあるんだよな……そのヒトのお墓が?」
「うん。ここは麻里奈の生まれ故郷でもあるからねぇ」
「……なら、今から行ってみないか? 俺、一度は挨拶しておかないとって思ってたからさ。シアの新しいパートナーとして」
そして……レイヴァーの遺した日記の事を、報告する為に――それは口には出さなかったが、俺は心の中でそう決意していた。
シアのかつてのパートナーであった少女――麻里奈。彼女の、シアに対する思い入れは、計り知れないものだったのかもしれない。
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