虚空

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 大体、エノメイアとは何なのか……そこから追求しなければ、どうにも対処出来ないのである。分からないながらも、その視界は巨大な扉を捉えていた。恐らく、この扉こそがブリッジの入り口であり、終着点なのだろう。彼は慌てた様子を見せずに、鍵穴に先程入手した鍵を差し込む。  直後、鍵穴を中心に扉が光り出し、唸るような音を立てながらそれは開かれていったのである。彼は驚きつつも中へと入り、辺りを見回した。  彼の視界に広がるのは、本部の管制室を広くしたような空間。通信用端末は勿論の事、指揮官席やモニターも顕在であった。兵器だと聞いていたのだが、これではまるで戦艦のようだ。それも、国連軍の空母や陸上艦以上に規模の大きな物。  彼が物珍しそうに中を眺めていると、突然、何処からか声が聞こえてきたのだ。 「やっと来たようじゃのぉ。遅くて待ちくたびれたぞい」 「……誰だ!?」  ウォードは拳銃を構え、周囲を警戒する。
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