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「厳密に言えば、これから中に入るんすけど、まあ……そんなところっす」
「ん……? ちょっと待ちぃや。ガイルはどうするん? あいつ、まだ博物館に……」
カイルの言葉に、涼子はハッとしたようにロアンを見遣り、そう呟いた。それに応えるように、ロアンも表情を険しくさせる。
「そうだぜ……まだ、ガイルが外にいるんじゃねえか! いや、あいつだけじゃねえ……他の連中も一緒に――」
「ロアンさん達がコードを解除している時に、本部から連絡が入りました。博物館入り口で、国連軍とガイルさん達が交戦を始めたそうです。しかも、相手は……」
フロアの下降が止まり、地響きが起きるや否や、カイルは物悲しそうな面持ちで一言……
「――”C.I.G”」
そう呟いた。
「何……だと?」
当然の事ながら、ロアン達は驚愕し、目を見開いたのである。カイルはそんな彼等と目を合わさずに、狭い通路をゆっくりと歩いていった。
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