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  悲しみに涙溢し 地面ばかり見て歩く少女   涙溢すまいと 空を仰ぎ歩き続ける少年   風に身を任せ 苦しみ喘ぎ開かれた その口で 冷たい夜風を吸い込み   瞳 開いてみると良い     星のない暗い夜空でさえ   果てしなく世界は続いている     報われぬ明日と 悲嘆に暮れるも   辛いからと 投げ出してしまうのも   君の自由     掲げた手の平で 星を掴もうと 廻り続ける 君の──   自由   けれど 時には 逃げることを 恐れないで   逃げることは 背くことではない   新たな道を見つけ そこへ向かうこと     逃げを甘えで誤った 愚かな者は その身を滅ぼし   逃げることで立ち向かう者は   辛くとも 明日なき明日に 想い馳せ   輝き続けるでしょう     例えそれが 人々の目から どんなに奇異に どんなに辛く見えたとしても   君が望み 選び 縋るように 掴もうとする 明日ならば     決して諦めてはならない   例えそれが 周りからどう見えようと     逃げることは背くことではない   立ち向かうこと   君は君が望む明日へ──     悲しみに目を伏せた少女 悲しみに目をつぶる少年   見上げれば ほら     星のない暗い夜空でさえ──
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