始まりの雨

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私、三田村恵利はごく一般的な高校2年生…だと思う。 家族は5人で、父と母と兄2人に私。 様々な事情が重なりに重なって、今私は一人暮らし状態だ。 そんな訳だから、朝はいつも自分で起きなければ、目覚まし時計以外に私を起こしてくれるものは何もない。 幸い朝が弱い体質では無いため、こういう状況で生活していても遅刻したことは無い。 無いのだが、今朝は危なかった。 4年程前から愛用している目覚まし時計の電池が切れ、数年振りの寝坊をしてしまったのだ。 とりあえず今の時間を確認しようと、飛び起きてつけてみたテレビ右上には、いつもはそろそろ自宅を出ている時刻が表示されていた。 そこには毎朝欠かさずに見ているお天気のお姉さんではなく、メインキャスターの女子アナが、小さく写っており、 「今日一番ツイていないのは…天秤座のあなた!何だかスッキリしない1日になりそう。忘れ物に注意して下さい。ラッキーカラーは水色でーす」 と、早くもなく遅くも無い口調で少し残念そうに告げている。 「げっ…私、天秤座…」 と思わず画面に向かって呟き、占いを見ている時間は無いのだと、切り替わった画面を見て慌てて身支度をし出した。
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