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「おはよう!」
少し息を切らせながら教室へと駆け込むと、幼稚園の頃からの友達の中村遥がこちらを振り向いた。
「おはー。恵利が遅刻すれすれなんて珍しいね?」
「いや、目覚まし時計の電池が天寿を全うされたみたいで…。良かったよー、間に合って」
「室長が遅刻しちゃマズイもんね~。今日は1限のライティングも小テストあるし」
くすくすと笑ながら柔らかそうな茶髪を揺らして、遥はそう告げてきた。
「………ぅえ?!…あぁっ!!小テスト!!忘れてたーー!!!!」
さすが占い最下位だ、などと頭の片隅で思いながら、無情にも予鈴がSHRの始まりを告げる。
「あーあぁ。ドンマイ☆」
などと軽く言って親指を上げて恵利に最高のスマイルを向けたが、目は口ほどに物を言うとは良く言ったもので、明らかに楽しんでいるような目付きをしていた。
遥のばかー!と八つ当たりをしようとした所で、担任であり1限の英語担当である桃井先生が教室へと入ってきた。
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