151人が本棚に入れています
本棚に追加
「九堂と言えば、あいつの女装……じゃなくて、あの格好にも見慣れてきたよな」
生まれ落ちてからずっと男として生きてきたゆずるは、人生15年目にして急に女として生きることを決意したらしい。
床屋ではなく美容院で髪を切るようになってから、同じ短い髪なのに、急に少女らしくなるから不思議だ。
制服も、男子の物ではなく、女子の物を着ている。
つまり、スカートを穿いているのだ!
ゆずるを男だと信じて疑わなかった同級生たちは当然驚いたし、一時は町中が大騒ぎだった。
だが、見慣れてきたという木村の言葉は、皆の思いを代弁しているようだ。
数ヶ月が経ち、ようやく落ち着いてきた感じがする。
「見慣れると、九堂って、可愛かったんだな。他の女子とは格違いに」
「そうだろ? 数と同じくらいに整った顔をしているけど、数より細っこいところがギュッとしたくなるカンジだろ?」
あと、力が使えない時に、憂鬱そうにしている様子がめっちゃ可愛い。
最初のコメントを投稿しよう!