近付く陰

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《こちらROUGE1。着艦よし。コース修正……。》 《おっ。次は葉月か。葉月、ヘマすんなよ!大丈夫か?》 《うっさい。こんなことぐらい出来て当たり前よっ!馬鹿にしないで!馬鹿に馬鹿って言われたら余計に腹立つのよ!!》 怒鳴り散らして返したのはF/A-18Jに搭乗する浅尾 葉月二等海尉だ。 《(黙ってりゃかわいいんだがなぁ)るせっ!俺は馬鹿じゃねぇ。天然なんだぁぁぁぁ!》 《一緒でしょ!!》 《んだと、こるぁぁぁ!!??》 そうこうしている内に浅尾は着艦したようだ。 《どうよ!?オペレーター!》 フフン。と鼻を鳴らしながら葉月が問うた。 《浅尾二尉……。着艦するときぐらい私語は慎んでください…。》 葉月の期待とは180゜違う、オペレーターの怒りを押し殺した声が帰ってきた。 《は、はい……。す、いません…………。》 《あっははは!怒られてやんの!》 《神流二尉……?貴方、極度のKYですか?》 オペレーターの怒りの矛先が神流にも飛んで来た。 《あばばばばば……。すすすすいません……》 神流はガクガク震えながら謝るしかなかった。 《……ROUGE2。着艦する…。》 浅尾の二番機。小笠原 政宗が浅尾と同じF-A18J操り、静かに確かな感触を残して着艦さした。
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