闇無き闇

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しかし、獣のように鋭く伸びた爪から血を滴らせる少女。 獣のように鋭く生えた牙から血を滴らせる少女。 よく視れば、それは一目瞭然のことだった。 「食べ足りません」 少女は、言った。 どちらが言ったのかはわからない。 バサリ、と二人同時にコートを翻して、向き合う。 そして、にっこりと笑いあって、微笑みあった。 煌々と輝く太陽。 青い空に、白い雲。 音をたてて打ち寄せる波に、白く熱い砂浜。 海。 季節は夏、どこにあるともわからない孤島にも夏はやってきて、南国のような暑さとなっている。 しかしこの孤島は、リゾート地というわけではなく、避暑地というわけでもない。 避ける、という以前に、むしろ既に捕まってしまった、監獄の最果て。 竜宮学園。 殺人鬼、超不幸体質、様々な異端者が捕らえられ、教育、保護、監視される。 いうなれば、監獄学園。 一クラス十数人で、数クラス。 それだけの社会不適合者が、集まっているのだ。
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