プロローグ

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「うーん・・・・・自分か・・・・・。」 早瞬の出来事に燐鶯は手の平の石を見て、ぼそりと呟いた。石を見つめた後握り締めてローブポケットに入れた。 目を閉じ、風を芯から感じるように息を吸い込んだ。ゆっくりと目を開け荷台車を引いて出発した。 道中の間、所々草原の草が無くなっていた。 「そろそろなのかな。」 道々で食べかけていたリンゴを最後の一口を口に運んだ。 再び歩きだし道を進んだ。そろそろ、草も無くなって土だけの道になり太陽が、赤く燃え沈み始めた。 燐鶯はこれまた何もない平原で一夜を過ごす準備をしその間に日は沈みきり辺りは暗い中に星がちりばめられていた。 毎日をこの中で過ごしてきた燐鶯にとっては何事もないようにリンゴをまた一つとりあぐらをかいて夜空を見つめた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・僕は独り、誰も居ない場所で僕は誰かを待っていたんだ、いや待っていたはずなのに忘れてしまったんだ。いつも、いつも、独りで 悲しかったんだ。その待っていた人に一つの希望を感じてたんだ。だから僕はずっとこの平原にいるんだ。来よう来ないの問題じゃない。もう忘れてしまった事なのだから・・・・・・・・・。
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