行方

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徐々にその目的地は大きくとなって見えた。 入る目の前には、 ~トレビナ~ と書いてあり、どうやら町の名前らしい。 「トレビナって言うんだ。」少し興味を持ってへぇとしている燐鶯であったが、一つの異変に気が付いた。 町に入るなり辺りを見ても誰も居ない。町への入り口は大きな柵と柵の間に検問するらしき場所が有るのだが、そこには誰も居なく町そのものが抜け殻だった。「どういう事だよ・・・・。」 町には手掛かりが有ると聞いて来てみれば、町は既にものけのから状態。 肩を落とすしかなかった。いくらいつも独りだった燐鶯ですら、この町の静けさは異常なものだと感じられた。 「僕の手掛かりって・・・・・・何なんだよ。」 辺りは建物で囲まれていた。そんななかぽつりと独り燐鶯は立っていたその時。「少年よくきたな。」 後ろから声がした。 声に驚き急いで振り向くとそこには、二十歳位の若い男の人が立っていて久し振りに会うかのようにそういった。 「どうも初めまして、貴方はここに住んでる人ですか。」 そう質問した。だが、男の人は聞いたとたん、え?という顔をして、 「燐鶯、俺の事わからないのか?」 そういった。 燐鶯もえ?という顔になり
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