一章

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皮肉混じりの言葉を特に気にした風でもなく、燈華は刃こぼれした刀身を見始めた。 十秒も経たない内に刀から目を離し、 「九……いや、十人丁度と言った所か」 「…………」 翔は沈黙する。これが彼なりの肯定の意なのだろう。 燈華は再度ため息を付き、 「その状態では研ぎに三日は必要だぞ?その間、得物はどうするんだ。丸腰で歩くわけにも行かないだろう」 「なら刀を一振り貸してくれ。」 沈黙。 燈華は翔を凝視する。が、当の本人はそんな物など何処吹く風だ。 「…………まあ、良いだろう」
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