一章

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そう言って何処から出したのか、竹刀袋の様な物を取り出し中から刀を一振り取り出した。 「ほら、コイツを貸してやる。名前は『疾風』だ」 刀『疾風』を手に取る。 何故か自分専用に造られたかのようにしっくりくる。 鞘から刀を抜いて見る。刀身は電灯の光を反射し、鈍い光を放っていた。 「疾風は元来お前専用に造った刀だ。先に金剛が出来てしまったからそちらを渡したが」 「俺専用、ね…………」 確かにその通りだ。刀身の長さ、全体重量、持ち易さ、いずれもピッタリ自分に合う。
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