一章

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時折研ぐ手を止め、刃を見てまた研ぎ出す。 これを十数回繰り返して、ようやく翔はソレを一部の狂いなく研ぎ終えた。 額の汗を拭う。 と、同時に玄関の郵便受けに物が投函された音がした。 郵便物だろうか?というその考えはハナからない。 今現在の時刻は朝の三時半を回る所だ。こんな時間に郵便局は開いてないし、そもそもこの『エリア4』には郵便局といった建物はない。 ならば何か? 決まっている。金だ。 郵便受けを開くと分厚い封筒が五つ入っていた。
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