一章

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外は雨が降っていた。 彼は当然の如く傘など持っておらず、雨の中自宅へと歩き始めた。 ※※※※※ 幸いにして深夜だったので人に見られる事はなかった。 彼の自宅はボロボロのアパート………いや、歴史の重み漂う二階建てのごく一般的なアパートだった。 彼の部屋は二階なのだろう。老朽化が進み、所々錆びていたりする階段を上がっている。 部屋の前に着く。部屋番号は204である。 彼はドアノブを捻り、部屋へと入る。 鍵は掛かっておらず、不用心の極みである。
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