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「おはよー♪」
ガラガラー、と勢い良く教室の扉を開けるのは、昨年1年2組のリーダー格だった姫宮亜梨澄。男女共に大幅に人気があり、先輩後輩ともすぐに仲良くなれる少女だ。
「アリス、おはよう」
「また同じクラスだね、なちる!!」
小学生の頃からの大親友、愛内奈知流。まるでアリスが来るのを待っていたかのような視線をアリスに向け、そっと手招きする。
「アリス、ちょっといい?」
少し控えめで、誰にも見られないように小さく手招きする姿を見て、何か大事な話しなのだろうか、と疑問に浮かべながら、アリスはなちるの側に歩を進める。
「どうしたの?なちる」
「実はね、まだ両親にも誰にも言ってない事…アリスに打ち明けようと思って……」
もじもじとしたなちるの姿は、照れ隠ししているつもりなのだろうか。その先を中々言えずにいるなちるだったが、アリスは急かす事なくなちるが打ち明けてくれるのを待った。長年共にいるからわかる。待っていれば、なちるは必ず打ち明けてくれる、と――。
「実はね…彼氏が出来たの。」
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