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「………はあ!!」
今日は新入生歓迎会。進級した…にも関わらず、アリスは正門を通る。
「初日から遅刻だと先生に目付けられちゃうってばー……まぁ優秀な成績だから先生大目に見てくれてるけど…」
だからといって遅刻はまずい。クラス委員に推薦される程のアリスが、皆の期待を裏切るわけにはいかない。
「で、でも今から三階まで上ってたら完璧アウトじゃん!!いゃぁぁーどうしようーーー!!」
ドタドタと校庭を走り、漸く玄関にたどり着いた時、同じように遅刻しそうな人物が玄関で靴を履き変えている。アリスに気付いて、男はクスッと小さく笑った。
「確かに初日から遅刻はいけねぇよな、クラス委員」
「えっ?」
たったそれだけ呟いて、男は消えた。なんだか小ばかにしたような態度に釈然としない苛立ちを覚える。
「何アイツ!!自分だって遅刻だっつーの!!」
しかものんびり階段上っているのが余計に気に入らなかった。
「ムカつく!!っていうか高等部(三年生)だったけど!!」
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