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「なちるの彼氏、天城院椿っていうのがあんなだったなんて…」
「?なにかいった?」
「う、ううん!!なんでも!!あっ、あたし代表挨拶だから行かなきゃ!!」
そう言ってそそくさと、壇上の裏方へと向かっていった。
「――新入生の皆さん、こんにちわ。2年生代表、姫宮亜梨澄です」
すると、新入生の席から「うわぁー…可愛い先輩」などと声を漏らした人物が数人。それは高等部の方でも同じだ。
「あ、噂の姫ちゃんじゃん。あの子本当可愛いよね、椿」
「………あいつ…」
頬杖をつきながら座る椿の目にアリスが映る。今朝とは違い、生き生きと喋る姿が噂通り姫的な感じを漂わせているのがわかる。
「今日は新入生歓迎会です。わからないことや質問したいことがあったら、先輩に聞いてね」
「姫ちゃんって、今椿が遊びで付き合ってるなちるちゃんって子の大親友らしいよ?」
「…へぇ」
「あの子モテそー。ねぇ、蒼衣」
「ヘッ、きーめた。俺あの姫ちゃんに告るわ」
明るい声が飛び交い、椿はふぅ、と小さく息を吐いた。
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