暗雲の空

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  夜間飛行は聞いていたより厳しいものだった。  水平飛行をしながら目的地に着くには、信用の薄い計器に頼るしかなかった。     「二・三番機、状況はどうだ?」 無線を通じて問いかける。    「二番機、今のところ良好」   「三番機、少し発動機の音が気になりますが飛行に支障はありません」   「一番機、了解。  三番機は無理をするなよ」    状況を確認し合い、目的地へと向かった。        一、二時間後 広島上空へ到着した。    「これより哨戒体勢へと入る。周囲への警戒を厳とせよ」   「了解」   三機は三角形の飛行体勢をとり、闇夜の空を哨戒した。        _
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