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「急降下だ!低空へ逃げろ」
三機は海面を目指して突っ込む。
あと少しだ。
と思ったとき、後ろから爆発音と共に黒煙が上がった。
「クソ、やられたか?」
後ろを見ると杉山機が炎上している。
その炎は暗闇の空を照らしている。
「脱出しろ!!落下傘だ」
無線機を向かって怒鳴る。
すると、無線機の向こうから杉山の声が聞こえる。
「ザ……尉…香月少尉。 今…まで、ありがとうござ…いました。」
かすれかすれの声が無線機から聞こえた。
すると杉山機は機体を翻し、F6Fの編隊に突撃していった。
「何を考えてるんだ!戻れ!!これは命令だ」
「……」
杉山機からの返答はない。
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