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「うわぁぁあぁ」
絶叫と共に涙が溢れんばかりに押し寄せる。
「ヤロォォォ」
俺は尾崎大尉に機銃弾を浴びせたF6Fを睨み、全速で突っ込む。
敵との距離は五百メートルほどだ。
「ああぁあぁぁ…」
更に距離を詰めていく。
無論、敵からの機銃弾を受けたが、そんなものをお構い無しに突っ込む。
この時は復讐のことだけが頭にあり、恐怖感や理性は飛んでいた。
距離が三百になった所で発射レバーを強く握った。
二十ミリ弾が勢いよくF6Fに向かって発射される。
始めこそは躱されたが、次第に命中弾が多くなっていき、ついに火を吹かせた。
高度が落ちていく。
このままでも撃墜には十分だっただろう。
だが、俺はその状態に更に二十ミリ弾を撃ち込む。
「ああぁあぁ…死ね!!」
鬼神の如く銃弾を叩き込んだ。
するとF6Fは大きな轟音と共に爆散した。
コクピットからはパイロットが落下傘で脱出を図っていたが、爆煙に巻き込まれ、炎と共に姿を消した。
「ハァ、ハァ…ぅ、う」
急に虚しさが押し寄せ、止まっていた涙が再び流される……。
しかし、戦場は待っていてはくれない。
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