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スルリと抜けるように人は死んで
私は夜明けでなくなった
今在るべき事をここに置いて、
太陽が影を落とした
見紛うほどの塵に抱かれて
スペクタクルに鳥は舞う
できる限り遠くへ逃げろ
そこから地球を見下ろして
君さえ生きれば怖くない
怖くないんだ
あぁ、怖くない
壊滅的な海の色
全てを無力と位置づけられてしまった
世界の半分から向こうを人とした時
きっと私は人でなし
生きる限り愛を笑って
人の定義を記憶違いして
君さえ死ねば怖くない
怖くないんだ
もう、怖くない
薄暗くて、無機質で、ただ広くて、冷たくて、鉄色をした、精神の胎盤に、私はいて、私を認めて、私を認めて。
端になったかつての中心で
君と堕落してアダムとイヴになって、
世界はまた始まろうとして、
始まろうとして、
目を開けずとも私を掴んで
少し歩けたら、
私が人なら怖くない
怖くないんだ
もう、怖くない
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