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「…萌え、って何だ?」
「い、いえ!此方のことですから」
お気になさらず、と続けながら、赤い顔を隠すように顔を手元に向ける。
「わざと下手にしなくても、いくらでも教えて差し上げますから」
「う…」
「ほら、ちゃんと手元を見ててください」
重ねた手を導くように動かしながら、軽い軌道でじゃがいもを剥いていく。
アーサーさんの手、意外に大きいんだな
どんな風に触れてくるのでしょう
とか、妄想してしまいながら、間違いを起こさぬように一緒に皮を剥いて。
我ながら恥ずかしい限りなのですが、改めて…この方に心を奪われているのだと実感してしまいました。
じゃがいも一つ分の幸せ。
今はそれでも満足しています。
【End】
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