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【checkmate】
「チェックメイトだ」
白のマスにナイトを置いてゲームオーバーを告げた。
「参りました…流石にお強いですね」
「世辞は止せよ、お前はまだ初心者だろ?勝ったって自慢にはならねぇよ」
控え目な、けれど楚々とした仕草は綺麗で見ていられなくて視線を逸らす。
「そ、それに筋はイイぜ、ゲームが得意な日本人らしいな」
「そうですか?アーサーさんの教え方がお上手だからですね」
ふ、と密かな笑いを溢して、彼が立ち上がって俺の隣に座った。
「な、なんだ?」
「ふふ…チェックメイト、なんて」
ぽす、と俺の胸に甘えるように頬を寄せて、少し恥じらうように言う姿に
ゲームに勝ったのは俺なのに。
参った…完敗だ
【End】
―――――
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