276人が本棚に入れています
本棚に追加
【icecream popin'】
「こんな間抜けな奴、見たことないぜ」
「笑わないでくれるかい?自分でも間抜けなこと位、分かってるさ」
ぶー、と膨れっ面をみせる辺りはまだ幼さがあって、昔の名残を感じさせる。
あの頃はひたすらに可愛かったんだが…
「アイスクリームにはしゃいで骨折するってよっぽどだぞ」
ベッドの上に投げ出された片足はゴツいギプスに固められていて痛々しいが、そんな風になってしまった要因を思い出せばつい笑いが込み上げてしまう。
やっぱり、まだガキなんだな…
「む…。アーサー!」
「なん、だ…っ!?」
ふいに強い力で引かれ、油断していたせいで膝から力が抜けて体が前に傾ぐ。
危なっ…!?
ベッドの上に投げ出される感覚。
次の瞬間、待っていたのは衝撃ではなく、温かくしっかりとした感触。
「アル!てめぇ、いきなり何すんだ!」
「俺の事、ガキだって思っただろ?君はすぐ顔に出るからバレバレだぞ!」
得意気な声で図星を突かれてしまえば、睨みつけようと顔をあげて口をつぐむ。
「ガキだって思うなら優しくしてくれよ、こんな時くらい」
ガキがそんな顔するか、バカ…
甘えるようにバグしてくる様は幼い頃のままなのが、癪に障った。
【End】
最初のコメントを投稿しよう!