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【俺の彼氏は腐男子】
カシャッ!カシャ!
シャッター音が響く。
こんな情けない場面ばかり、写真撮られてんだ、俺は。
「菊っ…もう無理だっ、て!ちょ…アル、そこは触んなっ!」
いくら愛しい恋人の頼みとはいえ、これ以上は俺の貞操がやばい。
「もう少し耐えてください、あとちょっとで来そうなんで…アルフレッドさん、もうちょっと顔を寄せて下さい!」
「んー、こんな感じかい?」
バカアル、顔が近い!近すぎ…ってコラ!そこはダ、メだっつ…
「アーサーさん、いい表情ですよ!すっごく萌えます!」
興奮した様子でデジカメを構える菊と、背後から俺をガッチリ羽交い締めにして悪戯をするアル。
恋人の『萌』とやらを満たさないと、彼の原稿があがらないのだ。
原稿があがらないとデートどころかキスもさせて貰えず、愛しさ故に彼に協力しようと心に決めているのだが…
「なぁ…こ、こんなんでお前の萌というのが満たされるのか?」
「えぇ!バッチリです!」
そんなに生き生きとした笑顔で肯定されてしまうと、言い継ぐこともできず。
「うわっ、な、舐めんなっ…」
「だって菊が舐めろって言うからさー」
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