276人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
【Feliz Navidad】
チクショー…やっちまった
プスプスと燻る煙と真っ黒な塊に正直、困っていた。
今日はクリスマス。
ピザとかパスタとか食いたかったけど、雰囲気重視で七面鳥を丸焼きにしてやったのに…
アイツが「贅沢は出来へんけどロマンチックなクリスマスにしよなー」なんて呑気に言うのが悪い。
ロマンチックとか言う柄じゃねーのに
「………」
でも、どうしたってテンションは下がる一方だ。
新しい七面鳥を買う余裕も時間もない。
メインもないディナーじゃ、アイツだって喜ばないだろうし…
「ロマーノ!帰ったで~!」
「!!!」
ビクッと肩が揺れる。
きっとメインを台無しにしたとまた叱られるだろう。
「…って、なんや!?炭の固まり出来てるやん!」
「う、うるせぇ…クリスマスだから七面鳥焼いてやったんだよ!」
「ってなぁ…原形ないで、コレ」
呆れたように真っ黒な塊を覗きこんだアイツの腕には、綺麗な色のリボンや包み紙で飾られた箱がたくさんあった。
「それ何だよ」
「ん?これか?これはなぁ…聞いて驚け!ロマーノ、お前へのプレゼントやで!」
「はぁ?ちょっ…贅沢できねぇって言ってただろ!」
最初のコメントを投稿しよう!