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「やっぱりなぁ、クリスマスって特別やって思うて」
「はぁ?」
「好きな子にはやっぱ、楽しい思い出残して欲しいな、て思うて」
あ、もちろん好きな子ってロマーノの事やから安心していいで!
なんて、恥ずかしげもなく全開の笑顔でいうな!
顔から火が出そうだぞ、コノヤロー。
それにプレゼントは丸焦げで俺、何も持ってねぇのに…
何か返したくとも差し出せる物も言葉すら出なくて、なにかないかと思いを巡らせればたった一つだけ思い至った。
「…」
「それ気になるか?そいつはトマトキャンティやで、赤でクリスマスらし…って、放るなや!」
艶やかなペイルグリーンのリボン。
それを左の手首に結んで、差し出す。
「ロマーノ?」
「プレゼント!クリスマスは特別だからな、俺をやる」
「………」
「貧乏なくせに貰ってばっかじゃ悪いからで深い意味はないから……って、何か言えよ!」
妙な沈黙が羞恥を煽る。
やがて返ってきたのは
「大好きやで、ロマーノ!!」
ウザいくらいの熱い抱擁とキスだった。
喜びすぎだ、ハゲ
【End】
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