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【MerryX'mas】
「菊たちが来てくれたから、今年は何だか賑やかで嬉しいぜ」
アーサーさんは普段よりクラシカルで華やかなスーツ姿で、照れたようにはにかんで見せてくれた。
素敵です…
アーサーさんの晴れ着姿が見えるのならば、それだけで遠く英国まで来たかいがあったと言うもの…
異国のクリスマスと言う祭に招待してくれた彼に改めて心中で礼を述べていると
「アーサー!シャンパンも開けていいかい、っていうか君は飲まないでくれよ」
明るくて良く通る声が割って入ってきた。
「アル、お前もう酔っ払ってるだろっ」
「ちょっとだけだよ、俺は君と違って酒癖はいいから大丈夫だぞ」
ちょ、アルフレッドさん!ドサクサに紛れて抱きつかないでくださいよ!
「ガキが飲むなっ、ての」
「クリスマスくらい多目にみてくれよ。そうだろ、菊?」
間延びした声で問いかけてくる、アルフレッドさんの瞳は酔ってなどいない。
ベタベタと彼にじゃれつきながら
アーサーは渡さないよ
と、私に誇示しているのだ。
「アーサーさん、私も異国のお酒を飲みたいです…教えてくれませんか?」
「ああ、それは構わないぜ」
負けじと彼の手を引いてみせる。
ま、負けませんからね!
【End】
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