プロローグ

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  「なんで!?」   職員室の中心で、 ひときわ大きな声。   「そ…そういう決まりなんだ」   困った顔をして先生は言った。   「なんでよ!!あたしに野球をさせないなんてどういうつもり!?」   逆にお前は何様のつもりだ。 そう問いたいが、今はそういう問題ではない。   「ま、マネージャーなら…」 「マネージャーなんて邪道よ!!あたしは立派な選手なんだからっ」 「マネージャーは一人しか置かないから、早いもの勝ちなんだが…」 「…プレイングマネージャー」 「え?」 「…そうね、それならいいわ!プレイングマネージャー、うんっ!イイ響きじゃないっ」 「いや、うちは普通の女子ま」 「入部します!!今すぐ!」  さっきとはうって変わってキラキラと目を輝かせ、彼女は入部を宣言した。 文脈からわかるように、彼女が入部したのは、この学校の野球部だ。   遅ればせながら紹介すると、彼女の名前は “柊琉依<ヒイラギルイ>” 今日からこの白凰<ハクオウ>高校の1年生になった一人だ。 彼女は、幼い頃から男子に混ざって野球をして過ごしている。 野球以外の取り柄は特になし。 強いていえば、ルックスは㊥の上で、運動神経がいいくらい。
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