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-ツグミ19才-
4月-サークルにて-
天真爛漫でいつも好奇心旺盛なツグミは…
三年生の強い勧誘を拒めず…
結構伝統のあるサークルへと入部することになった
『サークル』といえば出会い目的のちゃらいものをイメージしていたせいか…
初めて手を引かれて入った部室には正直目を丸くした
いろんな紙切れの束があちこちに散乱し…
『〇〇大学 SPEECHコンテスト』
と書かれたポスターが入口に一枚…
中にはギターを手に弾き語るものやプリントを数枚黙々と読みふけるもの…
伝統あるサークルと聞いていただけにそのフランクさに足が止まる
『サークル??』
『部活??』
想像していたナンパな上級生も小綺麗さも見当たらないのだから
「一年生お一人様ゲット♪
入部希望やて~♪」
その軽い声にあわせて一斉に視線がツグミに浴びせられる…
少し気後れしたが…
視線の奥に一人の一年生らしき女の子(同じ初々しさを感じたから)を見つけニコッと笑顔をみせる
「はじめまして…天野ツグミです…
桂さんに勧誘されてきましたぁ…
初心者ですがよろしくお願いします」
人見知りしないのが長所なのだが…
さすがにサークルパンフを持つ手は汗ばんでいた…
こうして新しい大学生活が幕をあける…
ツグミにとってはかけがえのないひとたちとの出会いの場になるスタートラインだった
のちにあの初々しさをかもしだしていた一年生(みなみ)とも無二の親友となることも…
この時はまだしるよしもなく……
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