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商業区を抜け、モルドレッド城へと続く大通りに出た。
この大通りには宿泊施設や酒場、土産品屋などがあり、観光客や旅人の為の通りとなっている。
クロスは大きく間隔を空けて生えている街路樹の数本目かの下で、怪しい露天をやっているのを見つけ、その前で足を止めた。
その露天は、もう大分使い古された毛皮をつなぎ合わせたような敷物の上に、ある程度はまとまっているものの、ほとんどばらばらに商品が置いてあり、敷物の端には顔に今までの長い人生を物語るような無数の皺を有する老人が座っていた。
商品の脇には、ーー幸運の御守りーーと書かれた紙が置いてあった。
置いてある商品を良く見てみると、それぞれ形が違えども、黒い眼帯と赤い髪飾りの二種類しか無かった。
どうやら、男が眼帯で、女が髪飾りらしい。
最も重要な、値段が書かれていないので、老人に聞いてみることにした。
買おうと思ったら、金がありませんでした、ではかっこもつかない。
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