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小高い丘に、三人の少年はいた。
そこは、たいへん開けた土地で、人の背丈を超える木はまばらにしか無い。
三人は、希望の橋を向きながら横一列に座っている。
希望の橋はここからだと、まだ果ては見えず、三人が三人とも、その先のまだ見ぬ大地に思いを馳せていた。
ここからが一番希望の橋を見渡す事が出来る事から、そこは通称ーー希望の丘ーーと呼ばれていた。
座り始めてから小一時間、三人は言葉を交わさなかった。
この橋を渡れば、もう三人揃って馬鹿をやることも無いだろう。
早く行きたい。
でも、まだ三人で一緒にいたい。
相反する思いは、幼なじみの少年達の心を重くする。
しかし、立ち上がらなければならない。
その先に成さねばならぬ事があるのだから。
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