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「俺は伝説になる! 次に会うときはドミニク・サムシェルと言う名が世界に轟いてからだ!!」
不意に、一番体躯の良い赤髪の少年が立ち上がり、希望の橋を見て叫んだ。
それは、迷いを断ち切る為。
未来の自分を思い描いていた。
「俺は……絶対にヤツを殺す。それが荊の道だとしても」
左端に座っていた黒髪の少年は、ゆっくりと立ち上がった。
まるで、思いを反芻するように。
真ん中にまだ一人だけ座っていた青髪の少年も焦ったように立ち上がった。
「ぼ、僕は宮廷魔術師になって、いっぱい、いっぱい魔術を覚えて、それで、沢山の人を救うんだ!」
気弱ながらも、言い切った少年に、二人は優しい表情で目を向ける。
「なら行くぞ!! 夢を叶える為に……。また、生きて会おう!!」
赤髪の少年は、丘を走って下る。
橋の向こう側は、明るく光り輝いて見えた。
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