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仲間を殺されたファングウルフ達は息を荒げ、目を血走らせていた。
後はボスの合図を待つだけだ。
「こう、木が多いと戦い辛いな。なるべく小さな槍を持ってきたのだが……」
刺さったままになっていたファングウルフを引き抜き、元いた場所に戻ったレイモンドは不満げに顔をしかめた。
同じく元いた場所に戻ったロッシも同調するようにこう言った。
「全くだな。でもやるしかないだろう? 大体そう言ったらサラちゃんのほうが大変だろ」
そう言ったロッシが弓を構えていつでも放てるようにしているサラのほうを向いた。
「そうですね。短弓にしたんですが、完璧に狙うのはほぼ無理です」
「まあ、何にせよそうだな。やるしかないか。これが終わったら新人も入隊するしな」
「じゃあ、さっさと終わらせて帰ろうぜ」
「アオオオオン!!」
ロッシが拳と拳を打ち合わせ、気合いを入れるのと、ファングウルフのボスが遠吠えするのはほぼ同時だった。
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