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「とても小さな村ですから。知らなくても無理はないですよ。」
カルルスは穏やかに微笑むと、「あそこで少し休みましょう」と、少し先にある岬を指差した。
「うっわー、たっかーいっ!」
岬の先から身を乗り出して、下を覗き込みながらシェリナは楽しそうにはしゃいだ。
「海にはよく遊びに来てたけど、この岬まで来たのは初めてだわ!風が強くて気持ちいいーっ!
ねぇねぇ、カルルスも見てみてよ!眺めがすごくいいのよ!」
「あまり乗り出すと危ないですよ。
下は海とはいえ、この高さからじゃ落ちたら助かるかわかりません。」
カルルスがそう言うと、急に恐くなったのかシェリナは大人しく腰を下ろした。
「それにしてもここはいいところですね。
自然がたくさんあって空気もおいしいし、空も綺麗だ。
何より時間がすごく穏やかに流れている。」
カルルスは、ごろりと寝転がるとぼんやりと空を見つめた。
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