ある魔法使いのお話 ~第一章~

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「カルルスが生まれた村はどんなところだったの?」 シェリナも真似をして、カルルスの隣に横になる。 「雪国ですよ。一年中雪で閉ざされている、とても寂しい村。 どこを見ても真っ白で……すごく寒いところです。」 「へぇー…でも、綺麗だろうなぁ。まさに銀色の世界ね。」 「何もないところですよ。だから僕は旅に出たんです。 いろんな国へ行きました。」 それからカルルスは、自分が訪れた国々のことを話した。 どんな人と出会ったか、どんな街があったのか。 シェリナは相槌を打ったり、時には質問したり、笑ったりしながらカルルスの話を楽しそうに聞いた。  
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