ある魔法使いのお話 ~第一章~

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「楽しそうだなぁー。私もいろんなところへ行ってみたい。」 「楽しいことばかりでも…ないですけどね。」 カルルスは、少しだけ表情に翳りを見せた。 「……カルルス…?」 シェリナは心配そうにカルルスの目をじぃっと見つめた。 その視線に気づくと、カルルスはにこりと笑って立ち上がった。 「何でもありません。さ、そろそろ行きましょうか。」 そう言って、すたすたと歩き出したカルルスを追おうと、シェリナも急いで立ち上がる。 「あっ、待ってよカルルス!」 ところが、急いで立ち上がろうとしたせいで、右足をひねり、そのまま体制を崩してしまう。  
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