―目録―

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2.雪上にて、 雪の上に置き去りにした。 眠らせた貴方は確実に冷えていく。 別に死にはしないだろう。 放っておけば目を覚まし、 体を縮こめるだけ。 けれど、… たった数歩の道をまたすぐに引き返し、 貴方の体を跨いで両脇で膝をつく。 白んだ首に私の青ざめた指を絡める。 指先に小さく力をこめた。 このまま、本当に、首を絞めて、 呼吸を潰してしまおうかと思う。 貴方を誰にも譲らない。 どうせ私を見てくれないなら、 …私の上着をかけてその場を後にする。 殺せるわけなど、ない。 貴方の顎に、伝った雫。 許しなんていらない。 ただ、ごめんなさいのつもりな、だけ。
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