―目録―

4/9
前へ
/9ページ
次へ
3.流転 支配に流され、体は売られる。 裂くような音。 幾多の傷。 …けれど私自身には何も響かず。 まるで、誰か事のように私を見ていた。 切り付ける、人達を見ていた。 まるで入れ物。痛覚に反応しても、 私、は、何も動かない。 追い縋るように体を寄せられ、 揺れる感情を期待される。 束縛すら、 叱咤すら、 殺生に晒されても、 動くものはない。 いつ、置き去りになどしてしまったのだろうか。    
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加