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「妖精さん、『世界中の武器を消してください』なんてお願いはダメかしら?」
妖精さんはそれをきくと、にっこりと無邪気な笑顔で言った。
「そのお願いなら大丈夫だよ~。……でも、いいの?」
「何が?」
「確かに具体的だけど……。まぁ大丈夫かな! いざとなったら、私を出してお願いすれば取り消せるから、覚えといてね~」
お願いの取り消し?
そんなことまで出来るなんて……、まさに至れり尽くせりだ。
良心的な妖精さんの話に、私は更に嬉しくなった。
そんな私は置いてきぼりのままに、妖精さんの言葉だけが勝手に一人歩きしてゆく。
「ではでは、明日からはあなたが武器と認識したものは全部消えちゃいま~す! あ、そうそう。お願い事は、あなたが私を出してくれる度に叶えちゃうよ? 1つとか3つとか、そんなケチケチしたことは言わないの。私ったらなんて太っ腹! ではでは、明日をお楽しみに~!」
妖精さんは、そう1人でまくし立てると、瓶の中に吸い込まれるように入っていった。
カランカランと、美しい青い音色を響かせ、瓶は再び私の足元に転がった。
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