電波はどこまでも

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今の時代ってすっごく便利だよね。 コンビニは24時間営業だし、いつでもどこでも使える繋がる携帯ってものがある。 これ一つで結構幅広い用途があるわけで。重宝、してます。 ぴぴぴぴぴ、と機械音が予め設定していた時間を報せる。 「…んぅ………うー?」 始めのうちは放置していたものの、だんだん酷くなっていく音。 寒いからと出たくなかった布団をのそのそと這い出し、音を発する物へと近付く。 ビビビビビビ…!という音は止めようと手を伸ばした瞬間消えた。 まったくもう!寒い思いまでして出て来たのに! とりあえず、と自慢の白いケータイを開く。 画面に表示された時間は、後少しで7:00になろうとしていた。 …………って、何やってんの自分!現実逃避してる場合じゃないからね! てかうん、道理で外が仄かに明るくなってきてるわけだ。納得。 急いで準備する。 そりゃもうマッハで! 十分でご飯食べ、五分で制服に着替える。 最後はカバンとコートを引っ掛けて家を出た。 数日前に降った雪が解けきらず積もった道を、自転車に乗って猛スピードで駆け抜ける。 はっはっと肩で息をしつつ、バスに間に合ったことに安緒した。 落ち着き始める呼吸を余所に、心臓は徐々にどくどくと高鳴り始める…。 あー!緊張するー!! というか私の自転車は大丈夫だろうか。焦って駐輪場に停めずほぼ乗り捨てに近い感じで置いて来てしまったのだが。一応、鍵はあるんだけどね。 帰って来て自転車無かったらどうしよ…。 て、ちょ、想像したら悲しいよ!家まで距離結構あるのに!親は絶対迎え来てくれないだろうから…歩くのか?あの距離を?  
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