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ドキドキしすぎて、まるで初めてのデートで隣に並んでる彼と手をつなぐタイミングを伺っているような、とにかく挙動不審な感じだったに違いなかった。
私も、適当にチョコレートを購入する事にして、選んでいるうちに、彼女は颯爽と大量のチョコレートを抱えて去っていってしまった。
声でもかけてみればよかった。
出来るわけもないのにそんな風に思った後、私は店員さんに言った。
「今の女の人が買っていったものと同じもの下さい」
あれだけ光り輝く彼女が買っていったチョコレートを食べたら、私も元気になるんじゃないかなんて、馬鹿なことを考えながら。
それ位、とても鮮烈な印象だった。
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