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車の揺れに身を任せ、私は窓の外を眺めていた。
紀ちゃんはラジオから流れる流行りの曲にあわせて鼻歌を歌いご機嫌だ。
昨日は閉店時間になってもまだお開きになる様子はなく、私がベットに倒れ込んだのは朝方の4時過ぎ。
紀ちゃんにたたき起こされたのは8時を少し回った頃だった。
紀ちゃんは疲れている様子もなく、準備をすませて、私の不格好なお弁当を愛しそうに眺めて言った。
「で、どこに行きたいって?」
「海がみたい」
私の言葉に少し考え込んで、紀ちゃんは笑っていった。
「鎌倉に行きましょう」
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