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薄暗い店の中で、宮原さんの背中はすぐに見つけられた。
「宮原さん」
声をかけると、少し驚いた顔をした宮原さんが振り返った。
「里奈ちゃん!」
驚いた顔は、すぐに笑顔に変わって、その笑顔は私の胸を締め付けた。
「来てくれたんだ」
「頑張っちゃいました」
冗談めかして言ったのに、宮原さんは照れたように笑った。
「嬉しいなあ。ママとデートだと思ってたから今日は諦めてたよ」
紀ちゃんの顔がうかんだけれど、ツキンと痛んだ胸に気づかないふりをした。
宮原さんは、立ち上がりながら、私のために椅子を引いてくれた。
女性の扱いになれていると言うより、この人の性分なんだろうなとお礼を言って腰掛けた。
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