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それでも、メールだけは2ヶ月に1度来るかこないか、私から送るか送らないかくらいのペースで続いていた。 他愛もないメールだったり、愚痴だったり、誕生日を祝うメールだったり。 紀之には何でも話して来たれど、ひとつだけ話していないことがあった。 インテリアの会社を辞めてしまったこと。 インテリアデザインの専門学校を卒業してコーディネーターとして入ったその会社で、それこそ死に物狂いで寝る間も惜しんで働いた。 小さな会社だったけれど、買い付けから独自ブランドまで取り扱っていて、まだ若かった私は、買い付けも、デザイン案もコーディネートも、出来ることはすべて自分でやった。 評価されたのは1期下の後輩だった。 わかってた。 自分の才能なんて。 それでも、死に物狂いで働いて、いつか報われるって信じていた私にはもう暗闇しか残らなかった。 夢はあっけなく散ってしまった。
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