9818人が本棚に入れています
本棚に追加
「デートだったんですけどね、せっかく宮原さんが誘ってくれたので」
私は素直に白状した。
「それは…」
宮原さんは少し間をおいて、グラスに残ったブランデーを飲み干して言った。
「俺、期待していいのかな」
私は黙ったまま笑った。
宮原さんといるとドキドキする。
心地良いのに落ち着かないような、不思議な気持ち。
すごく懐かしい気がするのはどうしてだろう。
今度は紀ちゃんではなく、紀之の笑顔が浮かんだけれど、考える前に私はそれをかき消した。
最初のコメントを投稿しよう!